〔 均整法の成り立ち 〕

                                  (坂本元一先生の講義から)


 日本には元々、「鍼灸指圧」や、さまざまな「整体」、「武道からきた活法」など、
いろんなものが混在して、人々の健康に役立ってきました。

 第二次大戦で日本が敗北したあと、占領軍の日本統治の施策の一つとして、
日本古来の医療を「野蛮なもの」として廃絶しようとする動きがありました。

 それを阻止しようとそれぞれの療術師が立ち上がり、政府や関係閣僚に働きかけましたが、鍼灸指圧関係のみが認可され、他のものは認められませんでした。

 鍼灸指圧も「西洋医学の下の位置」でという認識の上ででした。

 日本古来の手技療法には西洋医学的な「理論体系」がない、というのが、理由だったのです。
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 また、そのころの手技療法者には「古来から伝わった技に経験と工夫を重ねた」というような手技が多く、物質のみを対象にした科学を元にした西洋医学的では納得のいく理論を明確なものとしてもっている療術は皆無だったようです。

 また、「門外不出」というような技を隠す風潮があり、それも政府というカタチに認めさせることの障碍になったといわれています。。

 さまざまな療術をまとめた「療術会」という組織のなかで、幹部であり会長も務められていた「亀井進先生」はそれを憂い、何とか「明確な理論体系を!」ということで、さまざまな研究調査をなされたということです。

 その流れでできたのが「身体均整法(姿勢保健均整法)」だといわれています。

 

 

 そのとき療術の理論付けとして、もってこられたのが、
当時アメリカでも認められていた「スポンデロテラピー(脊髄神経反射)」であり、「オステオパシー」であり「カイロプラクティック」でした。

 「スポンデロテラピー」とは、アメリカのアブラハムス博士が考え出されたもので、
「神経を直接刺激することによって、自律神経の調整ができる」
という理論だといわれています。

 (筆者の以前に読んだ文献では、脊椎骨の上に、鞍のような形をしたものを直に乗せ、上からハンマーでたたく、という療法だったようです。 な、なんと乱暴な…!)


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 また、均整法の当初は、神経の興奮や抑制を、直接そのを反応部分を調整していましたが、痛みなどがあるところに直接触れるのは「治療行為」に当たる、ということで、

「医事法」にふれることのないよう、
現在のように、「一側を観察し、二側を調整」するというような形になったそうです。


 その根拠は、
「交感神経の興奮を抑制するためには、副交感神経を鼓舞すればいい」
というものです。
 (その逆もあります)

 
 その後、西洋医学的な臓器の交感神経と副交感神経の支配だけでは、理由のつかない部分が知見され、東洋医学の「陰陽五行論」の考えを加味し、現在のものになったそうです。

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 それ故、均整師は、
「骨格、筋肉、神経の解剖・生理、経絡、経穴、陰陽、五行の相性相克」
 などの知識をしっかりと身につけておかなければなりません。

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 観歪法の講習のとき、坂本先生から亀井先生が「前後、左右、回旋」の中心椎骨、
今でいう「十二種体型学」に行きつくプロセスとして実施した実際のレントゲン撮影の写真(早稲田大学診療所・当時)を見せていただいたことがあります。

 「前後運動」のレントゲン写真でも、確かに、前屈と後屈では、大きく曲がっている箇所を見ることができました。

 一部の外部の人たちで、均整の「十二種体型」を、他の整体の「十二種」と混同されている人たちもいますが、このことでも「均整法の『十二種体型学』」は、他とは一線を画するものだということが分かります。

 (なかにはパクリだという人もいました)

 ちなみに、観察と調整の場所である、「一側」「二側」「三・四側」は

「一側」…交感神経:臓器の働きをコントロール
「二側」…副交感神経:静脈系を通じて、臓器をコントロール
「三側」…動脈の調整と反応点
「四側」…運動神経、筋、筋枝を操作

 です。


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単純に西洋医学的に考えると、
臓器の働きをコントロールしている『交感神経』と『副交感神経』のはたらきは拮抗しており、その調整をするだけですみそうなものと考えられます。


 けれど、副交感神経で動きがよくなる臓器どうしでも、「ある臓器がよく働く」とシーソー関係にある「もう一方の臓器ははたらきが抑制される」というような現証がみられるといいます。

 単純に、自律神経の拮抗だけの考えではすまないことです。


 そこに「五行の相克と相性」の考え方を加味すると現象の理由が明確になり、施術の計画や手順が見えてきます。。

 それが、『実際の『臨床応用』について、確かな『観察と計画の基盤』になります。

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  現在の『姿勢保健均整術(学)』は、そのような過程を経て生まれたといわれています。